2019 Sotheby’s Auction of the year
歴史的名品が名を連ねた
奇跡のオークション年
通年であれば、落札上位ランキングにROLEXが必ず名を連ねますが、今回は独立時計師のGeorge Damielsやカルティエが制作した奇跡の名品など
個性的かつ時計史に語り継がれる時計が上位に来ております。
今回は、そんな時計好きが唸る2019年度サザビーズオークションで落札されたものをランキング形式で皆様にお伝えします。
TEXT BY SHINSEI
-
Patek Philippe
(Ref.2499)Yellow Gold Perpetual Calendar
こちらの時計は、パテックフィリップのRef2499で、老舗宝飾店であるティファニーとのダブルネームの時計です。ケース素材はお得意のイエローゴールドを採用しています。2018年でもオークションに掛けられたこのダブルネームRef2499ですが、2019年もオークションに出展されました。Ref2499は約35年間で349本しか製造しなかったということもあり、希少価値はいわずもがなです。そして世界五大宝飾店ブランドであるティファニーと世界三大時計ブランドであるパテックフィリップ。この両雄の共演がとてつもないタイムピースとなる要因のひとつにもなりました。
落札価格 $800,000 / ¥86,512,000
10 th10 th -
Patek Philippe
(Ref.5028)A Platinum Minute Repeating
Single Buttonこちらの時計は、パテックフィリップのRef5028です。自動巻きの拘り抜いたミニッツリピーターをベースにしています。ちなみに60年代にミニッツリピーターを採用するブランドは、皆無でした。しかし89年に同ブランドは創業150年を記念し、失われた超複雑機構の復活を果たします。ここほどミニッツリピーターを搭載したモデルが多いブランドは、存在しません。さらには永久カレンダーとクロノグラフを搭載しています。そして仕上げの美しいムーンフェイズも搭載しております。インデックスと針は、敢えて18金を採用し、黒を昇華してくれる素晴らしいデザインです。
落札価格 $888,145 / ¥97,915,895
9 th9 th -
Patek Philippe
(Ref.2497)A Platinum Minute Repeating
Single Buttonこちらの時計は1953年製のパテックフィリップ Ref2497です。ケース素材は、高級感溢れるピンクゴールドです。1951年に発表されたRef2497の特徴といえば、やはりパテックフィリップ初の永久カレンダーを搭載したというところです。三大複雑機構を得意としているココならではの素晴らしいクオリティに仕上げています。センターセコンドの秒針は、パテックフィリップの十八番である鮮やかな青色で配色。加えてインデックスには、アラビアン数字とドットのインデックスでシンメトリーに仕上げています。この絶妙なバランス感覚で、美しく見事にまとめ上げた独創的な逸品です。
落札価格 $965,231 / ¥106,428,000
8 th8 th -
Rochat
Gold, Enamel And Diamond-Set Hour Striking Musical
シンキングバードといえば、思いつくのがこちらの豪華絢爛なフレール・ロシャットの置き時計です。シンキングバードとは、贅沢に着飾った小鳥を、まるで本物の小鳥のように動かすオートマタのようなものです。しかもこの技術をフレール・ロシャットは、今から約200年前に完成させていたのです。今日においては、オートマタといえばジャケドロ―ですが、そこにもムーブメントを供給していたといわれているので、シンキングバードの父とも言ますね。さらにフレール・ロシャットの時計はあのパテックフィリップのミュージアムにも所蔵されているほど、認められた存在なのです。
落札価格 $1,013,878 / ¥110,887,900
7 th7 th -
Cartier
A Yellow Gold, Platinum,
Silver, Diamond, Emeraldこちらは、カルティエの得意とする"ミステリークロック"です。特徴としては、マジシャンに影響を受けており、謎めいたダイヤルなところです。また、パリ万博後の20世紀初頭にオリエンタルなデザインの影響が強まり、創業者の孫である ルイ・カルティエの指示のもと多く特注品が制作されたと言われています。ちなみに、ここまで完璧な状態で出品されたのには、理由があります。このミステリークロックは制作された1989年から3年に一度の頻度で、カルティエによりラグジュアリーブランドらしい丁寧なサービスが施されているのです。つまりブランドの顧客サービスレベルの高さも、ここまでの極上コンディションで出品された所以です。
落札価格 $1,027,260 / ¥113,252,975
6 th6 th -
Patek Philippe
(Ref.5002)A Platinum Double Dial
Wristwatch Withこちらの時計は、パテックフィリップがこれまで作り上げてきた腕時計の中でもかなりの複雑なRef.5002です。このリファレンスを完成させるために、パテックフィリップ社のエリート時計技師で構成された数名のチームで、数か月もの歳月を要し、年間でわずか2点しか作り上げることができなかった逸品です。このことから、この時計がいかに偉大で彼らの技術の結晶が詰まっているのかがお分かりいただけるかと思います。今回はオークションの開催地が香港ということもあり、アジアのマーケットではプラチナよりピンクゴールド方が高く評価された事実は、背景の一つとして見受けられます。
落札価格 $1,104,546 / ¥121,773,575
5 th5 th -
Patek Philippe
(Ref.5002)A Pink Gold Reference 5002
Skymoonこちらの時計はパテックフィリップのRef5002です。ケース径42.8Mmで手巻きとなっております。Ref5002はパテックフィリップが、これまで制作した最も複雑な腕時計で最初のダブルフェイス文字盤です。北半球の天空星座図を表わし、ミニッツリピーター、トゥールビヨン、永久カレンダーの三大複雑機構などの驚異的な複雑機構を搭載。また右側に配置してある2つの大きなリューズの反対側にカラトラバの彫金で装飾されたスライトピースが存在します。これをゆっくりスライドさせると、カセドラルゴングで奏でるミニッツリピーターが美しい音色を奏でてくれるのです。
落札価格 $1,39,447 / ¥149,797,775
4 th4 th -
Patek Philippe
(Ref.2499)A Yellow Gold Perpetual
Calendarこちらは名機パテックフィリップのRef2499です。約35年間しか製造されず、その間での製造数はわずか349本という希少性もあり、必ず出品されると落札額上位に名を連ねる逸品です。パテックフィリップと言えば、イエローゴールドの素材使いが印象的ですが、同ブランドならではの素材をブレスにも贅沢に採用したこちらの時計は、まさに長きにわたるブランドのDnaが詰まっています。美しく焼けたインデックスは味わい深く、秒針と日付針は深みのある美しい青色で配色されています。エレガントを極めたココだからこその配色センスと言えますね。
落札価格 $1,537,347 / ¥169,488,935
3 rd3 rd -
Joehan Cremsdorff
A Gold, Enamel And
Diamond-Set Vergeこちらは、もはや時計の次元を超えた美術品級のヒストリカルピースです。ルネサンス期の機械工作技術と装飾品技巧の叡知が凝縮されており、当時の懐中時計の中では最高傑作です。ちなみに、今回の落札価格は"17世紀につくられた時計"の中での世界記録となりました。そもそも、懐中時計が最初に生まれたのは16世紀のドイツといわれていますが、時刻を確認する"時計"として実用できるレベルのものが、現れ始めたのは主に17世紀以降だと言われています。つまり懐中時計が実用的に人々に使われ始めた頃のモノになるので、歴史的価値があるのは言わずもがなです。
落札価格 $2,733,975 / ¥294,799,500
2 nd2 nd -
George Daniels
Gold Watch, Daniels
Doublewheel Escapement2019年のサザビーズ オークション落札額第一位はこちらです。この時計を作り上げた独立時計師のジョージ・ダニエルズは英国時計学会会長、ロンドン市立大学名誉博士を歴任しています。82年にはトゥールビヨン付き懐中時計の製作に成功し、多くの時計師に刺激を与えました。そんな氏が作りあげたのは、18金イエローゴールドの素材を使い、美しい佇まいの時計です。そして見た目だけではなくダブルホイール脱進機、マニュアルカレンダー、ムーンフェイズ、平均太陽日時表示、など様々な機能が搭載されており、時計の領域を遥かに超えています。ゆえに名実ともにトップランクの逸品です。
落札価格 $4,561,407 / ¥491,029,065
1 st1 st