極限環境での視認性に特化した不変デザインを持つエクスプローラー

極限環境での視認性に特化した不変デザインを持つエクスプローラー

一切の装飾を排し、時刻を読み取ることだけに特化したミニマルなデザイン。アラビア数字を配した特徴的なダイヤルは、ひと目でエクスプローラーだとわかるほど世界的に認知されている。

1950年代初頭、ロレックスは時刻表示という時計本来の機能の枠を超え、過酷な環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるプロフェッショナルモデルを開発した。1つは海中での使用を目的としたダイバーズウオッチ”サブマリーナ―”、そしてもう1つは、世界最高峰のエベレスト人類初登頂という偉業を称え、”エクスプローラー(探検家)”と名づけられたアドベンチャーウォッチだ。

極限の状況下での視認性を追求したエクスプローラーは、シンプルな文字盤に堅牢なケース、信頼性の高いムーブメントを備えていた。その後もコンセプトを継承しながら時代とともにアップデートされ、1971年には上位機種となるエクスプローラーⅡが派生した。以降、エクスプローラーシリーズは、別々の系譜をたどることになり、その進化の過程で、両モデルにはさまざまなバリエーションが誕生した。

歴史的偉業へオマージュを捧げる

未踏の地への冒険時代だった1950年代、人類は深海の最深部へ挑み、世界最高峰へ挑戦した。
1953年5月29日、エドモンド・ヒラリー卿とシェルパのテンジン・ノルゲイが世界最高峰のエベレストの人類初登頂に成功した。諸説あるが、このジョン・ハント卿率いるエベレスト遠征隊には、ロレックスのオイスターモデルが装備品として提供されていたと言われている。それらはホワイトダイヤルを備え、現在であればドレスモデルとして扱われるような時計がほとんどだったという。

そして同年、ロレックスはこの偉業を称え、”エクスプローラー(探検家)”というアドベンチャーウォッチを世に送り出した。それは”3・6・9”のアラビア数字とトライアングル、バー型の夜光インデックスを配し、どのような環境下でも視認性が確保できるブラックダイヤルを備えた特別なモデルだった。

創業者ハンス・ウイルスドルフの「世界は私たちの実験室だ」という言葉のとおり、ロレックスは自社の時計を提供することで、実際に仕様される過酷な環境下からフィードバックを得てきた。そして、その貴重なデータをもとに極限環境でも視認性に特化したエクスプローラーという意匠を完成させたのだ。

その後も数々の冒険に携行され、時代とともに熟成を重ねたエクスプローラーだが、そのコンセプトと基本デザインは、今日に至るまで継承されている。

暗闇での視認性を確保するため、ダイヤルに直接塗布された大型の夜光インデックス。3・6・9時にのみアラビア数字をレイアウト。且つあらゆる光の条件下で高い視認性を確保する黒文字盤。デイト表示を持たず、時刻を読み取ることだけに特化した機能的なデザインだ。